【カビで発症する真菌症】引き起こされる疾患やカビの発生しにくい物件とは?
【カビで発症する真菌症】発症する疾患とカビの発生しにくい物件について

ちょっと気をゆるめると、家のあちこちに魔の手を伸ばすカビ。
カビは、住居の汚れや劣化の原因になるだけではありません。
健康面に被害をもたらすことや、ときには命に危険を及ぼすことも。
今回は、カビが原因の恐ろしい疾患や、その予防法などについてお伝えします。
降り続いていた雨が止むも、ぶあつい雲に覆われてどんよりしている空。
お天気が悪い日が続くと、じめっとした空気で肌がべとつき、身につける衣類も湿っぽく感じますよね。
特に暑い季節は、湿度が高いと耐えがたく不快に感じられるものです。
そして太陽も姿を見せてくれないと、気分も暗く沈みがちになりますよね。
「じめじめ」や「じとじと」という言葉の意味は「陰気」や「不快」などネガティブなイメージですが「湿気があって」という前置きがあるのです。
そんなふうに、人間が大の苦手としている、湿気。
その湿気が大好きなのが、カビです。
カビは、じめじめした場所で触手を伸ばし、どんどん成長していきます。
少し油断していると、カビはお風呂やキッチンのほか、押し入れや畳や食品などにも生えてしまいます。
「生えるのはイヤだけど、見つけてから掃除すれば大丈夫」と思っていませんか?
家の中にカビが発生すると、アレルギーの原因になることがあります。
それだけではなく、カビが人の体の中に入り込むと、命にかかわることもあるのです。
ここでは、カビが原因となる恐ろしい「真菌症」について、その症状や予防法のほか、カビへの対策などについてもお伝えします。

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賃貸専門家:安達竜哉
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士の資格保有。特技は少林寺拳法とお部屋探し。奈良の不動産業界で16年以上、単身からファミリーの方など、年間で200部屋以上の仲介実績。特に奈良市内のマンション名を出して貰えれば殆どわかる自信あり。奈良市の賃貸事情に詳しい安達による、暮らしに関するお役立ち情報をお届け。


真菌症ってなに?

「真菌」ってご存知ですか?
「聞いたことはあるけど…何かの細菌のこと?」と思う人もいらっしゃるかもしれませんね。
○○菌という言葉はよく耳にしますが、菌類には「真菌」と「細菌」の2種類があります。
みなさんがよくご存じの乳酸菌や結核菌などは、「細菌」の仲間です。
そしてあまり馴染みのない「真菌」ですが、実はこれはカビの仲間の総称なのです。
そこで「じゃあ、黴菌(ばいきん)は何?」と疑問を持たれるでしょうか。
「黴菌(ばいきん)」は「黴(かび)」の「菌」と書くのでカビも含まれるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、有害な細菌のことをまとめてこう呼んでいるだけです。
では、その「真菌」と呼ばれているカビが関係しているらしい「真菌症」とは、どういうものなのでしょうか?
「真菌症」とは、カビが人間の組織の中に入り込み、増殖して発症する病気のことです。
想像するだけで、不気味で恐ろしいですよね。
真菌によって引き起こされる疾患

カビ(真菌)は、じめじめした場所に「生えている」だけだと思っていませんか?
「カビが生える」というのは、カビがあっという間に増えていく状態をいいますが、それには高い湿度が必要です。
カビには、「胞子」という、植物の種のような、無性生殖のための細胞があります。
そしてカビの胞子は、目に見えていなくても、どこでも、どんな条件でも空気中を漂っているのです。
カビが生えていると、胞子の数もどんどん増えていきますので、吸い込んだり触れたりすることも多くなります。
ですので、真菌症は主に肺や呼吸器や、皮膚などに次のような疾患を起こします。
皮膚
身近な存在で良く知られている水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビによっておこる疾患です。
足にできるのが一般的な水虫で、爪に起こると爪水虫、股の部分はいんきんたむしなどと、呼び名が変わります。
内臓
「アスペルギルス症」は「アスペルギルス」という自然界に多く存在しているカビを吸い込むことによって引き起こされる、肺の感染症の病名です。
発熱やせき、たん、だるさや呼吸困難、ぜん息の症状が起こることもあります。
このカビが肺の中に棲みつき、肺の切除の一歩手前という重い症状が起こった例もあるので、症状が長引くときは専門の病院で検査を受ける必要があります。
また「クリプトコッカス症」は「クリプトコッカス」というカビによって引き起こされる疾患です。
このカビは土や鳥の糞の中に存在していて、肺から感染します。
発熱や頭痛、まれに髄膜炎や脳炎などの重い症状が起こると命にかかわる危険な状態になります。
「カンジダ症」は「カンジダ」というカビによって起こる膣の炎症です。
かゆみや不快感が起こり、悪化すると婦人科系の感染症を引き起こすこともあります。
これらの疾患は、免疫力の低下している人は特に注意する必要があります。
全身の臓器に重い症状が起こることもあるからです。
不調が長く続き、真菌症が疑われたら、病院で詳しい検査を受けましょう。
真菌症と診断されると、抗真菌薬の投与などの専門的な治療が必要になります。
アレルギー反応
家の中でも、なぜかここではクシャミが出る、という場所はありませんか?
カビの胞子は、あらゆる場所の空気中に漂っていますが、特にお風呂やじめじめしている場所には多く存在しています。
そのような場所にいるとき、特にせきやクシャミがよく出るという人は、カビによるアレルギー症状かもしれません。
こちらも症状が治まらないときは、病院で検査を受けることをおすすめします。
真菌症を予防するには

カビがそんな病気の原因になるなんて…と驚かれたでしょうか。
では、恐ろしい真菌症にならないためには、どうすればよいのでしょうか?
カビが増殖しにくい環境をつくる
カビが大好きなのは、暖かくじめじめした場所です。
特に湿度が70%を超えるとカビは繁殖しやすくなり、さらに80%以上になると、カビは勢いを増してどんどん魔の手を広げていきます。
それに加えて、20℃から30℃の気温と栄養分があれば、そこはもうカビにとっての楽園なのです。
カビは食品だけではなく、人の体の汚れやほこり、せっけんカスや洗剤の溶け残りでも栄養分にしてしまいます。
風通しを良くして湿気をこもらせないようにし、特にカビが好む浴室や洗面所やキッチンはこまめに掃除をしましょう。
浴室は入浴のあと水分を拭き取る習慣をつけ、換気扇は常時ONにしておきましょう。
そしてお天気の良い日は、窓を開けて家の隅々まで風を通してください。
体調管理を行い、健康を維持する
さて、どんな病気でもかからないために大切なのが、免疫力ですよね。
お伝えしているように、真菌症は重症化することもある恐ろしい疾患ですが、免疫力が低下していなければ、重篤な状態になることは、まれなのです。
持病などがなくても、不摂生な生活をしていると免疫力は簡単に下がってしまいます。
忙しいからといって、かたよった食生活をしたり、睡眠不足や運動不足になったりしていませんか?
ほかにもお酒の飲みすぎや喫煙、過労やストレスなどはあらゆる病気の原因になりますし、その病気がさらに免疫力を下げてしまうという事態にもなりかねません。
日ごろから自分の体調に気を配り、健康の維持を心がけましょう。
また、症状が皮膚に起こる疾患さんもいますから、予防するためには常に肌を清潔にして、なるべく乾燥させるようにしてくださいね。
カビが発生しやすい物件の特徴

ここまで恐ろしい真菌症についてお伝えしてきましたが、敵の正体はカビとわかっているので、しっかり対策をすれば打ち勝つこともできそうですよね。
でも、細心の注意を払っていても、カビはわずかなスキを狙って触手を伸ばすのです。
「自分の家には、ほとんどカビが生えない」という人もいますよね。
では、カビがよく生える、という家は、どのような特徴があるのでしょうか?
日当たりが悪い
カビは「高い湿度」「20℃から30℃くらいの気温」「栄養分」があれば生えやすくなるとお伝えしましたが、もっともカビが必要とするのは湿度の高さです。
日当たりの悪い建物は、内部も薄暗くじっとりと湿っぽいイメージですが、ほかの条件も重なるとカビの温床になりかねません。
光と熱を降り注ぐ太陽は、家にとっての守護神のようなものです。
日当たりが良い物件の価値が高いのは、太陽の熱で水分が蒸発して建物の湿気を追い払ってくれるからです。
そればかりか「日光消毒」という言葉もあるように、太陽光線の紫外線は殺菌効果もあるのでカビを退治してくれるのです。
明るい陽射しが差し込むと、部屋の中まで殺菌消毒してくれているというわけです。
ですので、その日光の当たらない住居はカビにとっては居心地の良い環境になってしまうでしょう。
新築の鉄筋コンクリート
「新築で、木造じゃなかったら、きちんと対策をすればカビは生えないのでは?」と考える人は多いのではないでしょうか?
ところが、それは間違いです。
鉄筋コンクリート造りのマンションなどのコンクリートは、固めるときに大量の水を使用します。
これはこのような建物を施工するときに必要な方法なので、新築の建物のコンクリートには多くの水分が含まれています。
そして、この水分が抜けてしまうのに数年かかってしまうことがあるのです。
なので、新築なのに、ではなく、新築だから、湿気やすくなりカビが生えやすくなるというわけです。
低層階
同じマンションでも、上層階と比べると1階や2階の低い階のほうがカビが生えやすくなります。
低い階は日陰になりやすい上、雨が続いたときの地面や、周囲の植え込みなどからの湿気が入り込みやすいからです。
通気性が悪い
家の風通しが悪いと湿気がこもったままになりやすいので、カビが発生しやすくなります。
立地やほかの条件にもよりますが、窓の位置や大きさや数、換気扇の数などによって、家の中の空気の流れは大きく変わってきます。
そのため、物件を選ぶときは窓を全開にして、空気が通り抜けるかどうか確認するほうがいいでしょう。


カビが発生してしまったら

ところで、日本はどれくらい雨の多い国かご存知ですか?
なんと、わが国の降水量は、世界の平均の約2倍なんです!
つまり、雨や雪の量が多く湿度の高い日本で暮らしている限り、カビと無縁でいるのは難しいということです。
もし家にカビが生えてしまったら、恐ろしい真菌症にならないためにも一刻も早く退治してしまいましょう。
では、どんな掃除方法が効果的なのでしょうか?
洗剤+エタノールで掃除
お風呂などの水で洗い流せる場所のカビ退治は、漂白剤などのカビ取り洗剤がよく使われていますね。
ただ、そのときはきれいに汚れが落とせても、時間がたつとまたカビが生えてきます。
そこで良い仕事をしてくれるのが、エタノールの成分が70%から80%程度の消毒用エタノールです。
エタノールの成分はカビを退治し、生えにくくする作用があります。
まず、スプレータイプやジェルタイプのカビ取り洗剤でお風呂などのカビの汚れを落とします。
そのあと、消毒用エタノールをスプレーしておくと、カビの予防になります。
週に1度くらいのエタノールスプレーで、きれいな状態を長くキープできるんですよ。
消毒用エタノールはそのほかにも、家の中で大活躍してくれます。
病院でも消毒に使われているくらいですから、家の中の自然素材のものにも、人の体にも優しいからです。
エタノールは漂白剤などのカビ取り洗剤が使えない畳や家具、壁なども、ほとんど傷めることなく、カビを退治できるのです。
使い方はティッシュや布にエタノールを含ませて、カビが生えている部分を拭き取るだけです。
いつでも使えるように用意しておくといいですね。
市販のカビ取りクリーナーで掃除
漂白剤などの成分が含まれない、クリームタイプのカビ取りもあります。
あの独特の臭いがなく、クリーム状なので細かい部分に使いやすく、サッシなどへの使用におすすめです。
ほかにも、壁や家具など水が使用できない場所のカビ取り掃除には、室内専用のカビ取りクリーナーが市販されているので、安心して手軽に使うことができますよ。
【カビで発症する真菌症】まとめ

今回は、カビが原因で起こる恐ろしい真菌症やその予防法、カビが発生しやすい物件の特徴などについてお伝えしてきました。
カビは、生えやすい条件がそろうと、家中にあっという間に発生してしまいます。
気づかずに放置していると、家が傷んだりするだけでなく命にかかわることもある恐ろしい敵ですが、毎日家の隅々までチェックするのは難しいですよね。
カビを発生させないように湿気をこもらせない対策を習慣にし、見つけたらすぐに退治しましょう。
そしてもし生えたカビによって真菌症にかかることがあっても、健康で免疫力が下がっていなければ恐れることはありません。
日ごろから体調管理に気を配って健康を維持し、カビに負けない毎日を過ごしましょう。


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