お部屋探しの前に知っておきたい知識【オール電化とガスどっちがお得?】
「オール電化」VS「ガス併用」どっちがお得?

実生活において、生活費の支出の中で家賃の次に大きな割合を占めるのが、光熱費だという方が大半です。
最近では賃貸物件にもオール電化になっている物件が多くありますが、ガス共用と比べてどちらがお得になるのか、気になっている人は多いのではないでしょうか。
賃貸物件を選ぶ際にどちらが良いのか、一般的な使用例を元に比較していきましょう。

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賃貸お部屋探しのプロが見るポイント
賃貸専門家:内田紘一
資 格:宅地建物取引士
宅地建物取引士保有で業界12年以上のベテラン!先読みする性格を武器に数多くの賃貸媒介をこなし、特に学生では成約数TOPクラスの実績。休日の日は家族・愛犬と車中泊をしながら、各地の有名観光地巡りなどドライブをする事が趣味です。奈良市はもちろん、生駒市・大和郡山市など、エリアを問わず奈良に詳しい賃貸専門家の内田がご紹介します。
オール電化の特徴とメリット・デメリットは?

まず先にそれぞれの特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。
オール電化とは、コンロと給湯にガスを使用せず、全てを電気でまかなう仕組みのことをいいます。
コンロにはIHクッキングヒーターや電気コンロが、給湯にはエコキュートや電気温水器が使われています。
コンロの場合、IHクッキングヒーターは対応する鍋やフライパンが必要になりますが、電気コンロよりも熱効率が良く、同じ調理に使用するのであればIHクッキングヒーターの方が電気代は安くなります。
給湯についてもお湯を沸かす仕組みが違い、共にあらかじめ電気で湯を沸かしておいたものをタンクに貯めておく方式ですが、空気の熱を利用して沸かすヒートポンプ式を採用したエコキュートの方が電気代が安くなります。
コンロはどういったものが採用されているのかは物件情報で確認できることが多いですが、給湯に関しては写真などでも判断ができないため、事前に確認が必要です。
大半の賃貸物件の場合、機器の設置条件があるため、オール電化はIHクッキングヒーターと電気温水器の組み合わせが最も多いようです。
オール電化のメリット
・火を使わないことで火災などの心配が少なく、調理の際に出る無駄な熱が少ない
・給湯器で湯を沸かす際は電気代が安くなる深夜電力が使われる
・タンクからお湯が給水されるため、お湯の水圧が低い
・電気に一本化することで光熱費の管理がしやすくなる
・災害時に水道が止まっても、給湯器のタンク内のお湯が使える
オール電化のデメリット
・日中や夏場の電気代が割高になる
・使えるお湯の量が給湯器のタンク容量で決まり、お湯切れが起こるとしばらくの間は使えない
・風呂の追い炊きが不経済になりがち
・停電時に多くのものが使えなくなる
オール電化の場合、電気代はオール電化専用プランが用意されており、日中の電気代が割高に、休日や深夜が割安になるプランです。
カレンダー通りの勤務形態で、夕方以降の帰宅後にコンロを使用する人であれば、割高な時間帯に電気を使用する機会が少ないことで電気代を安く抑えることができます。
また、湯を沸かすためにはそれなりの電力が必要になることと時間がかかることから、自動的に割安な深夜電力を使ってお湯を貯めておくことがオール電化最大の魅力です。
反面、貯めておけるお湯の量がタンクの容量で決まるため、家族が多ければ大容量のタンクが理想的なのですが、賃貸物件ではその容量を自分で決めることができないため、湯をたっぷり使いたい場合には追加で湯を沸かすことになります。
深夜電力ではない時間帯に給湯や追い炊きで電気を多く使うことになると、電気代が高くなってしまいます。
ガス共用の特徴とメリット・デメリットは?

ガスは大きく分けて2種類、都市ガスとプロパンガスがあります。
都市ガスはメタンを主成分とした液化天然ガスで、地中のガス管を通って供給され、価格が安いことが特徴です。
プロパンガスはプロパンやブタンを主成分とした石油ガスで、ボンベに詰められたものを各戸に設置して供給されますが、ボンベの運搬に人件費がかかるなどの理由で都市ガスよりも割高になります。
しかし、都市ガスよりもプロパンガスの方が熱量が多く一般的に火力が強いことで、頻繁に料理をする人には価格よりもその特徴で選ばれることがあります。
ガスの使用量は体積の㎥(立法メートル)で計算されますが、同じ体積でも熱量にするとプロパンガスは都市ガスの倍以上あるため、引っ越しなどでガスの種類が変わると同じような使い方でも使用量の差に驚くことがあります。
ガス共用のメリット
・エネルギーコストが電気よりも安いので、同じ量の湯を沸かすなら都市ガスが最もお得
・停電時でも利用できるガス機器が多い
・コンロが調理器具を選ばずに利用できる
・プロパンガスは災害に強い
ガス共用のデメリット
・基本料金が電気とガスの両方必要になる
・都市ガスは災害時の復旧に時間がかかる
それぞれのガスで特性が違うためひとくくりにはできないものの、ガスの強みは停電時でも使用できる機器が多いこと。
ガスストーブなどがあれば暖房も使用できるので、寒い時期に停電が起こった場合でも安心です。
また、ガスは地震などの震災時でも安全装置を兼ねたメーターでガスの供給をストップしますが、プロパンガスであれば専門的な知識が無くても手順に沿って復旧できるため、2016年の熊本地震でも翌日からプロパンガスは利用できていたという実績があります。
その他、都市ガス用の機器とプロパンガス用の機器は異なり、相互に使うことはできないことには注意が必要です。
そのため、ガス種が変わると引っ越し前に使っていた機器を再利用できないといった問題も発生します。
オール電化とガス併用の金額面の差は?

電気・ガス共に基本料金に加え使用量に応じた従量単価で金額が決まるため、その使用量で大きな差が生じます。
さらに、都市ガスの場合は月間の使用量の応じて基本料金と従量単価が変動します。
まずは、湯船にお湯を入れる際にかかる費用で比較してみましょう。
湯船いっぱい250リットル分の水を、水道水の温度15℃から40℃に沸かすために必要なエネルギー量は、6250キロカロリーです。
それだけのエネルギー量を金額にした場合で比較します。
関西電力のオール電化専用プランから日中料金(デイタイム)と深夜料金(ナイトタイム)、奈良県内で展開する都市ガスとプロパンガスの各社の料金を以下のように計算します。
電気:1kwh=860Kcalとして計算
ガス:6250(必要なカロリー量)÷(各発熱量)×0.9(熱効率)×単価=湯張り1回あたりの料金
①関西電力のはぴeタイムR(デイタイム 1kWhあたり26.33円)
6250÷860×26.33=191.35円
②関西電力のはぴeタイムR(ナイトタイム 1kWhあたり15.2円)
6250÷860×15.2=110.46円
③都市ガス(20㎥未満の場合 1㎥あたり175円)
6250÷11,000(都市ガス発熱量)×0.9×175=89.48円
④プロパンガス(奈良県平均価格 1㎥あたり500円)
6250÷24,000(プロパンガス発熱量)×0.9×500=117.18円
この様に比較すると、最も給湯が安くできるのは都市ガスであることが分かります。
都市ガスの場合、20㎥を超えて利用すると1㎥あたり145円になるなど、利用量に応じて従量単価がどんどん下がりますので、家族が多い家庭であれば人数あたりの負担は少なくなります。
続いてオール電化の場合ですが、深夜料金の時間帯に貯めたお湯が利用できればかなり安いものの、日中にタンクの湯量が減って沸き増しや追い炊きなどが発生すると割高な日中の電気代が負担になります。
賃貸物件の場合、タンク容量がそれほど大きくない事が多いので、家族が多いと負担が増える可能性があります。
プロパンガスもかなりお得な事が分かりますが、この比較には基本料金が含まれていないため、月間のトータルコストで考えた場合はお得感はそれほどありません。
都市ガスのように利用量に応じて従量単価が下がることが無いため、大量に使う場合は負担が大きいかもしれません。
また、調理用に使用した場合でも、上記で比較したエネルギーコストは変わりません。
しかし、深夜に調理を行う事はあまり一般的ではないため、オール電化のナイトタイムの恩恵はあまり受けられないでしょう。
ライフスタイルによって大幅に変わる?

ガスとは異なり、オール電化の料金プランの場合は曜日や時間帯によって電気代が異なります。
最も高いのが夏季のデイタイムで1kWhあたり28.86円、平日の朝と夕方~夜、土日祝日など多くの人が自宅で過ごす時間帯に適応されるリビングタイムであれば1kWhあたり22.89円という設定です。
せっかくお風呂用の給湯がお得に行えたとしても、未就学児が居る家庭や退職後の生活の場合、平日の日中に最も電気代がかかる空調を利用する機会が増えることで、オール電化の料金プランが別の用途で大幅に負担を増やしてしまうこともあります。
日中自宅に居る機会があまりないようなカレンダー通りの勤務形態であれば、オール電化の料金プランが適しているでしょう。
特に、夜間の勤務などがある職業の方の場合は、昼夜逆転することでデメリットが大きくなります。
戸建の持ち家であれば、日中の電気代が高い時間帯を太陽光発電システムで補うといった選択肢もありますが、賃貸物件の場合はそうはいきませんので、料金プランの見直しやオール電化の物件そのものを選ばない方が良いかもしれません。
ライフスタイルと家族構成から考えるベストとは?

仕事がカレンダー通り、単身やパートナーが居る家庭で、自炊はほどほどにするという人には「オール電化」が良いでしょう。
給湯器のタンク容量が300リットルあれば2~3人で使ってもお湯切れはなかなか起きないため、オール電化のデメリットがそれほど問題にはなりません。
光熱費が一本化できることと、人数と時間帯がオール電化に適していると言えるでしょう。
次に、未就学児や高校生くらいまでの子供を含む4~5人くらいの家族の場合「都市ガスの共用」が最も良いでしょう。
時間帯を気にせず電気やガスを利用できることと、タンクのように給湯量に制限がないため、子供が部活動で汚れて帰ってきても安心です。
子供を含む家庭の場合、学校の長期休暇などで日中の在宅機会が増えると、オール電化の負担が大きく機会があります。
朝からお弁当を作ったり、家族分の夕食の準備でガスの使用量が増えたりしても、料金全体がお得になるため、単純な従量加算のみのオール電化よりメリットがあるでしょう。
また、電力自由化に伴いガス会社が電気を、電力会社がガスを取り扱う機会が増えたことで、都市ガス共用環境でもお得なプランを選ぶことができます。
「プロパンガスの共用」に関しては、料金面は他の2つと比べると割高感は否めません。
コンロの火力も一般家庭用のコンロでは劇的な差は無いため、都市ガスとそれほど差を感じることはないでしょう。
しかし、先に述べたように災害時の復旧の速さは見過ごせません。
地震大国と呼ばれるだけあって、いつどこで震災が起こるかは誰も予測できないため、いざという時の保険という意味であえてプロパンガスを選択するという人も実際に居ます。
それぞれに特徴がありますが、どれを選ぶにしてもまずは自分のライフスタイルに合っているかどうかを確認することが先決でしょう。
奈良県は内陸のため都市ガスの普及率が低く、プロパンガスの共用物件が比較的多いため、オール電化や都市ガスの共用物件に人気が集まりがちです。
ベストな選択肢が必ず選べるとは限りませんが、いずれのタイプの物件でも上手く光熱費を節約する方法はあります。
すでにお住いの物件であっても、まずは料金プランの見直しで節約できる可能性がありますから、大家さんなどに相談して電力・ガス会社を切り替えたり、料金プランの見直しを進めてみましょう。
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