【スーモに載っていない未公開物件の探し方とは?】検索では出てこない理由について解説!
引っ越ししようと思ったとき、希望条件に合う物件がないか、まずはスーモなどの物件検索サイトで検索してみる方も多いでしょう。
その後、不動産で相談してみると、検索した時と同じ条件を伝えているのに、スーモでは出てこなかった物件を紹介されることがあります。
物件検索サイトに掲載されない物件があるのは、なぜなのでしょうか?
このような物件は怪しい部屋で、契約を避けた方が良いのでしょうか?
この記事では、物件検索サイトで探しても出てこない「未公開物件」について、よくある質問とその回答を中心に解説します。
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賃貸お部屋探しのプロが見るポイント
賃貸専門家:古川 真史
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
奈良在住25年以上。宅地建物取引士・賃貸経営管理士の資格保有。ルームアドバイザーとしてのキャリア18年以上の大ベテラン。不動産賃貸の関連はすべて媒介経験あり。奈良出身ではないのに奈良まほろばソムリエ検定(奈良通1級)取得する奈良への溺愛っぷり。奈良マニアの古川より独自な目線で賃貸情報を多数お届けします。
そもそも、「未公開物件」って何?
大家さんが物件を貸し出すことにしてから物件検索サイト(スーモやホームズなど)で物件が一般公開されるまでの流れは、以下の通りです。
1. 大家さんが、部屋の借主を募集するための契約を不動産屋とする
2. 不動産屋が、不動産業者のみが閲覧できる物件情報交換用のシステム(レインズやATBBなど)に物件の情報を登録する
3. 不動産屋が、レインズやATBBなどに登録された情報を元に、物件検索サイトに情報を掲載する
「未公開物件」とは一般に、前述の過程の中の2番目までが終わっている物件のこと。
つまり、「レインズやATBBなどには登録が終わっているが、物件検索サイトでの一般公開はまだ行われていない(あるいは、一般公開は行われない)物件」のことです。
なぜ、物件検索サイトで公開されない物件があるの?
未公開物件が生じる理由は、不動産会社の都合によるものや大家さんの都合によるものなど、いくつかあります。
代表的なものは、以下の通りです。
物件検索サイトへの登録作業が完了していない・まだサイトに情報が反映されていない
レインズやATBB等に載っている物件情報は、スーモ等の物件検索サイトに自動で転載されるのではなく、人力で掲載されます。
そのため、特に1月から3月の不動産屋の繁忙期には掲載準備に時間が取れず、物件検索サイトへの公開が遅くなる傾向にあります。
また、不動産会社側が物件検索サイトへの登録を終えていたとしても、情報が反映されるまでにはタイムラグがあります。
このような「まだ準備が終わっていないものの、いずれ物件検索サイトに掲載予定の物件」が、未公開物件のほとんどを占めています
大家さんが一般公開を希望していない
大家さんが「入居希望者が殺到することを防ぎたい」「(人柄や収入状況などについて)問題のない人にだけ貸し出したい」等の希望を持っていることで、未公開となる物件もあります。
中には、「同じアパート・マンションの他の入居者の部屋よりも安い家賃で新入居者を募集するので、現在の入居者に知られないようにしたい」という理由で未公開になっているケースもあります。
物件が未完成である
未完成の物件は、法律上、物件検索サイトに掲載してはいけないこととなっています(宅建業法33条)。
そもそも完成前の物件は、建物内部の写真が撮影できる状態になかったり、家賃が未定だったりと、物件検索サイトに載せるための材料が揃っていないことがほとんどです。
不動産屋で未公開物件を紹介してもらうメリット・デメリット
物件の希望条件や、引っ越し時期等によって、未公開物件をおすすめできる場合とそうでない場合があります。
メリット・デメリットの双方を確認しておきましょう。
<メリット>
部屋探しの幅が広がる
一部、「物件検索サイト(スーモ等)にのみ載っていて、レインズやATBBには掲載されていない物件」もありますが、「レインズやATBBには載っていて物件検索サイトには載っていない」物件の方が多いです。
希望条件に合う物件をスーモ等の検索サイトで見つけられなかったときは、不動産屋で同じ条件を伝えて、いい未公開物件がないかを聞いてみましょう。
希望通りのお部屋が見つかる可能性があります。
気になった物件を他の候補者に取られる可能性が比較的低い
物件検索サイトでは広く物件が公開されているため、何人もの人が同じ物件を狙っていることもしばしばです。
特に、1月~3月の不動産屋の繁忙期は、新生活に向けて急いで引っ越しをしたいと考えている人も多いため、物件検索サイトで見かけて気になっていた物件が他の人に先に契約されてしまい、なくなってしまうことも珍しくありません。
一方、未公開物件であれば、ライバルになるのは不動産屋で直接その部屋の情報を聞いた人だけです。
<デメリット>
未公開物件すべてが必ずしも「掘り出し物の優良物件」とは限らない
未公開物件の中には、立地・間取りなどが好条件で敷金・礼金等が相場よりも高額であるものや、事故物件のため、あえてネット上に情報を登録していないというものもあります。
たとえ多額の費用が必要となっても立地が最優先なので問題ないと考える人や、家賃が抑えられるなら事故物件であることを気にしない人等にとってこれらの物件は「優良物件」になり得ますが、すべての人に当てはまるものではありません。
未公開物件は、必ずしも「お得な掘り出し物」であるとは限りません。
お部屋探しをする際は、候補を未公開物件に限定するのではなく、物件検索サイトに公開されている物件も含めて、広い視野で進める方が良いでしょう。
入居可能日が未定の物件もある
未公開物件の中には、スーモ等の物件検索サイトに掲載しなければいけない情報を揃えることができず、公開が先送りにされているものもあります。
その中には、現在の入居者の退去日が確定しておらず、はっきりと入居可能日を示すことができない物件も含まれています。
好条件の未公開物件を見つけたとしても、引っ越し希望日まで時間がない場合は、入居可能日に問題はないか、特によく確認しましょう。
入居申し込み後に、内装や設備などが変わる可能性がある
どうしても新築物件に入居したいとしても、建設中という理由で未公開となっている物件を契約することはおすすめできません。
建設が進む中で、家賃・管理費や設備などが予定されていた内容から変更されることがあるからです
内見前に入居を決めてしまい、引っ越してみたら内装や設備が思っていたのと違った、という事態にもなりかねません。
お部屋探しのエリアを少しずらしたり、間取りなどの希望条件を調整したりして、なるべく完成済の物件にあたるようにしましょう。
未公開物件を限定的に取り上げているサイトの中には、おとり物件が多いものもある
必ずしもすべてのサイトに当てはまる話ではありませんが、未公開物件専門のサイトの中には、おとり物件(※)ばかりを掲載している悪質なものもあるため、注意が必要です。
(※)おとり物件とは、実際には入居できないのに物件検索サイトに載っている物件のこと。
すでに成約済みの物件の情報を取り下げ忘れている場合と、客引きのためにわざと掲載している場合がある。
まとめ~お部屋探しの幅を広げる「未公開物件」、注意点もよく確認して賢く探そう~
この記事では、スーモなどの物件検索サイトで一般公開されない「未公開物件」が生じる理由や、未公開物件のメリット・デメリット等を解説しました。
・物件の中には、「不動産業者のみが閲覧できる物件情報交換用のシステム(レインズやATBB等)には掲載されているが、物件検索サイト(スーモ等)で一般公開されていない」ものがあり、一般にこれを「未公開物件」と呼ぶ
・未公開物件は、不動産会社の都合や大家さんの都合等で発生するもので、必ずしも怪しいものではない
・物件検索サイトで希望する物件が見つからなかったときや引っ越す人が多い時期等は、未公開物件がないかを不動産屋に聞いてみて選択肢を増やすのもおすすめ
・未公開物件には、事故物件や諸費用が高い物件もあること、入居可能日や設備が確定していない場合もあること等に注意
おすすめの未公開物件があるかを不動産屋に尋ねる際も、予算・間取り・設備などの希望条件が具体的に絞れていることが大切です
理想の条件と妥協できる範囲をあらかじめ検討してから不動産屋に相談してみると、スムーズにお部屋探しができるでしょう。
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賃貸お部屋探しのプロが見るポイント
賃貸専門家:古川 真史
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
奈良在住25年以上。宅地建物取引士・賃貸経営管理士の資格保有。ルームアドバイザーとしてのキャリア18年以上の大ベテラン。不動産賃貸の関連はすべて媒介経験あり。奈良出身ではないのに奈良まほろばソムリエ検定(奈良通1級)取得する奈良への溺愛っぷり。奈良マニアの古川より独自な目線で賃貸情報を多数お届けします。