【賃貸は何年住むべき?】住み続けるメリットや判断基準について解説
賃貸住宅は長く住むべき?長期入居のメリットについても解説
引越しを考えている方の中には「賃貸住宅には一般的に何年くらい住むものなのだろう」と疑問を持つ方も多いでしょう。
ライフスタイルの変化に応じて住まいを変えるのは当然ですが、 特に理由がなくても「そろそろ引越しをしようかな」と考えることもありますよね。
この記事では、賃貸住宅に長く住むべきかや長期入居のメリット、住み続けるべきかの判断基準について詳しく解説します。
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賃貸専門家:安達竜哉
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士の資格保有。特技は少林寺拳法とお部屋探し。奈良の不動産業界で10年以上、単身からファミリーの方など、年間で200部屋以上の仲介実績。特に奈良市内のマンション名を出して貰えれば殆どわかる自信あり。奈良市の賃貸事情に詳しい安達による、暮らしに関するお役立ち情報をお届け。
賃貸住宅の平均居住年数とその傾向
賃貸住宅の平均居住年数は、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会のデータによると、全国平均で約4年1ヶ月となっています。
しかし、この数字は世帯タイプや地域によって大きく異なります。
全国的な傾向としては、2年ごとの契約更新のタイミングで住み替えを検討する方が多く、 「2年」または「4年」を区切りとして考える方が一般的です。
国土交通省の「令和5年住宅動向市場調査」によれば、賃貸契約の約48%に更新手数料が設定されており、 この費用負担を考慮した結果といえるでしょう。
更新手数料は通常、賃料1ヶ月分程度に設定されていることが多く、 この出費を避けるために更新のタイミングで引越しを決断する方も少なくありません。
しかし、実際には更新時に引越すことが必ずしも経済的とは限らず、総合的に考える必要があります。
世帯タイプ別の居住年数の特徴
単身者層の平均居住期間は全国平均で3年3ヶ月となっています。
単身者の居住期間が比較的短い理由としては、以下のような要因が考えられます。
首都圏の単身者が長く住む背景には、駅近物件や利便性の高い物件が多く、 一度良い物件に入居すると住み続けるメリットが大きいことがあります。
また、都市部では賃貸物件の競争が激しく良い条件の物件を見つけた場合には長く住む傾向があります。
一方で、単身者は結婚や転職、転勤といったライフイベントの影響を受けやすく、 環境変化に柔軟に対応する必要があるため、ファミリー層と比較すると居住期間が短くなる傾向にあります。
キャリアの変化に伴い、勤務地が変わることも少なくないでしょう。
ファミリー層の平均居住期間は全国平均で5年1ヶ月と、単身者と比較して約2年長くなっています。
ファミリー層の居住期間が長い理由ですが、子どもの教育環境を考慮すると、頻繁な引越しは避けたいと考える家庭が多いでしょう。
特に子どもが小学校に入学すると、同じ学区内に住み続けることを優先する傾向があります。
また、ファミリー向け物件は比較的広く、引越し時の荷物の量も多いため、引越し自体のコストと労力が大きくなります。
このため、よほどの理由がない限り住み続ける選択をする家庭が多いのです。
さらに、ファミリー層はすでにライフスタイルが安定していることが多く、 単身者ほど急激な生活変化が少ないことも、長く住み続ける要因となっています。
興味深いのは、都市部以外の地方では居住期間がやや短くなる傾向があることです。
これは地方では転勤や就職機会の変化によって転居を余儀なくされるケースが多いことが影響していると考えられます。
賃貸住宅に長く住むことで得られるメリット
賃貸住宅に長く住み続けることには、想像以上のメリットがあります。
引越しコストの削減効果
引越しには多くの費用がかかります。
主な費用としては、 新居の敷金(賃料の1〜2ヶ月分)、礼金(賃料の1〜2ヶ月分)、 仲介手数料(賃料の1ヶ月分+税)、引越し業者への支払い(単身で5〜10万円、ファミリーで15〜30万円程度)などが挙げられます。
これらを合計すると、単身者でも最低30万円程度、ファミリーでは50万円以上の費用がかかることも珍しくありません。
2年ごとに引越しを繰り返すと、この費用が累積し、長期的に見れば大きな経済的負担となります。
また、引越しには金銭的コスト以外にも、新居探しの時間や労力、荷造り・荷解きのストレスなど、目に見えないコストも発生します。
特に仕事や育児で忙しい方にとって、これらの負担は小さくありません。
長期契約による家賃交渉のチャンス
賃貸住宅に長く住み続けると、 大家さんや管理会社との関係が築かれ、家賃交渉がしやすくなるというメリットもあります。
大家さんにとって、信頼できる入居者に長く住んでもらうことは、空室リスクを減らす意味でも大きなメリットです。
まず、更新料の減額や免除を交渉できるケースがあります。
通常、更新料は賃料1ヶ月分が相場ですが、長期入居者であれば半額や無料になる可能性もあります。
また、家賃の値上げ抑制や、場合によっては値下げ交渉ができることもあります。
特に周辺の賃料相場が下がっている場合や、建物の経年劣化がある場合には、交渉の余地が広がります。
さらに、退去時の原状回復費用についても、通常よりも柔軟な対応を期待できる場合があります。
長期入居者の場合、経年劣化として認められる範囲が広くなることもあるのです。
これらの交渉は、日頃から家賃の支払いを遅延なく行い、 近隣トラブルを起こさないなど、良好な関係を築いていることが前提となります。
しかし、そのような関係性を構築できていれば、 長期入居によって数十万円単位の経済的メリットを得られる可能性があるのです。
住み続けるか引越すか判断するためのチェックポイント
賃貸住宅に住み続けるか、新しい住まいに移るか、判断に迷うことも多いでしょう。
以下のポイントを確認して、自分の状況に合った選択をしましょう。
ライフステージの変化を見据えた判断
現在の住まいが、今後のライフプランに適しているかを考えましょう。
以下のような変化が予定されている場合は、引越しを検討する時期かもしれません。
結婚や同棲を予定している場合、現在の住まいの広さや間取りが二人暮らしに適しているかを確認しましょう。
特に収納スペースは二人分必要になるため、余裕があるかを検討することが重要です。
また、子どもが生まれる予定がある場合、部屋数や周辺の教育環境、公園の有無なども重要な判断材料となります。
子育て世帯には、騒音問題を気にせず暮らせる環境や、子育て支援施設が充実した地域が適しています。
転職や転勤の予定がある場合は、通勤時間と交通費を考慮する必要があります。
通勤時間が大幅に増える場合、生活の質が低下する可能性があります。
一般的に、片道1時間以上の通勤は心身に負担をかけるといわれています。
親の介護が必要になる可能性がある場合は、親の住まいとの距離や交通の便も考慮しましょう。
突然の呼び出しにも対応できる環境かどうかを検討することが大切です。
コスト面からの総合的判断
現在の住まいと新しい住まいのコストを比較する際は、以下の点を総合的に考慮しましょう。
まず、現在の賃料と周辺相場を比較してみましょう。
長く住んでいる場合、周辺の新築物件よりも家賃が安い場合があります。
一方で、築年数が経過した物件では、設備の古さによる光熱費の増加も考慮する必要があります。
また、現在の立地による交通費と、引越し先での交通費の変化も計算しましょう。
駅から遠い物件に住む場合、バス代や駐車場代などの追加費用が発生することもあります。
引越しにかかる初期費用(敷金・礼金・仲介手数料・引越し代)と、現在の更新料を比較することも重要です。
単純に更新料がもったいないからという理由だけで引越しを決断すると、かえって出費が増えることもあります。
住環境の質も金額に換算して考えましょう。
騒音や日当たり、断熱性などの住環境の問題は、精神的ストレスや健康面にも影響します。
これらの「目に見えないコスト」も判断材料に入れることが大切です。
【賃貸は何年住むべき?】まとめ
賃貸住宅に何年住むべきかという問いに、一概に正解はありません。
全国平均は約4年ですが、あなた自身のライフスタイルや将来計画に合わせて判断することが最も重要です。
長く住むことには、引越しコストの節約や住み慣れた環境での安心感など、多くのメリットがあります。
一方で、ライフステージの変化に合わせた住み替えも時には必要です。
結婚、出産、転職など、生活の大きな転機には、住環境の見直しも検討しましょう。
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